X-T4 の本体充電とデュアルバッテリーチャージャー BC-W235を試す

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FujifilmのX-T4を買いまして、本体内充電だけだと超時間運用が難しいので、バッテリーチャージャー(BC-W235)と 予備バッテリー(NP-W235) 1個も一緒に買いました。
(チャージャーはキャンペーンでもらえるのは知っていましたが…ついつい)

さてこのX-T4は、USB PDによる充電に対応しており、急速充電も期待できそうで、バッテリーチャージャーと本体内充電の双方で供給電力を調べてみました。

先に結論

  • バッテリーチャージャーでバッテリー2個を同時充電するには30WPD Chargerを別途用意せよ!
  • 30Wより大きいPDチャージャーは無駄!
  • 本体内で充電するときは、電源OFF中にすべし! 

開封とスペック確認

測定に入る前にまず開封とスペック確認です。
バッテリーNP-W235は以下の通り、7.2V/2200mAh = 15.84Wh(表記は16Wh)になっています。
SONY αのNP-FZ100 バッテリーが7.2V/2280mAh = 16.42Whなので最新のフラッグシップのバッテリースペックに寄せてきました。

次にバッテリーチャージャーです。裏面のスペックみて驚きました。
Input 9V/3A, 15V/2A, 20V/1.5Aということで、このデュアルチャージャーとしてはなんと30Wの入力ができます!

しかしOutputは2系統ともに 8.4V/1.125A で9.45Wずつ、合わせて18.9Wの供給になります。
(一瞬、30W分配して15Wくらいで充電できると思ったのですが残念ながら9.45W充電です。
これは充電器の能力というよりは、バッテリーNP-W235の充電レートから受ける制限なのかと思います。)

つまり、30Wの供給は不要そうですが、残量ゲージや2個同時充電のICや液晶表示など備えている点と 最速でデュアル充電するには9.45W × 2個で18.9Wは最低でも必要なため、18W 充電器では不足しそうな予感です(後述)

バッテリーチャージャー BC-W235の測定結果

実際にバッテリーチャージャーの充電を試してみました。

TypeCの電流電圧チェッカーを挟みました。

所有しているPD Chargerの中で電力の大きい以下の2つから試しました。

デュアルチャージャーは、充電開始と同時にバッテリー残量が5%刻みで表示され、X-T4本体よりもとても親切な仕様になっています。

バッテリー1個装着時 (LVSUN 60W, Anker 30W)
– 9.3V/0.98A % 0%  = 9.11W


チャージャーのOutputが9.45Wと記載されているので、ケーブルインピーダンス等考慮したら妥当な値だと思います。
もう少し早いと良かったのですが・・。

バッテリー2個装着時 (LVSUN 60W, Anker 30W)
– 9.2V/1.95A @0% = 17.94W
– 9.23V/2.02A @15% = 18.64W
– 9.23V/2.14A @50% = 19.75W


30W Chargerも60WもChargerも、ほぼMax出力の仕様通りに同時充電できていそうです。18W前後を示しています。
すると疑問になるのが、「18W以下のPD Chargerだとどうなるか」です。
X-T4付属のチャージャーは15Wです。手持ちのAukeyの18Wのものと合わせて試してみました

バッテリー2個装着時 (X-T4付属 15W)
– 4.89V/2.05A @25% = 10.02W※1つのみ充電
– 4.90V/2.21A @60% = 10.83W ※同時充電

供給不足と判断されたのか、片方しか充電しなくなりました。
何度か試すと両方充電されることもありました。
どうやら、テスターを挟むとそれ自身がインピーダンスになるせいで片方になりがち。
同時充電できるかできないかギリギリのところだったのでしょう。

バッテリー2個装着時 (Aukey 18W)
8.96V/1.38A @60% = 12.36W ※同時充電

以上の測定結果から、X-T4付属の15W充電器や、小型で流通の多い18W PD Chargerでは供給能力不足であり、もっと出力の大きな充電器が必要です。
18Wの次に主流なのは、27Wであったり30Wの充電器なので、これらがベストの選択肢だと思います。
また、45Wや60W, 80Wなどのもっと大きな充電器も存在しますが、これらはさすがに不要だということもわかりました。

X-T4本体内充電の測定

X-T4は本体にUSB PD充電器を接続しても充電ができるので、どれだけの速度で充電できるか試してみました。
電池残量は空に近い状態です。



電源OFF状態(LVSUN 60W, Anker 30W)
– 15.5V/0.62A =9.61W


電源OFF状態 (Aukey 18W)
– 8.95V/1.05A =9.40W


電源OFF状態 (X-T4付属 15W)
– 4.91V/2.02A =9.92W

ここでわかったのは、付属の15W充電器でも強力な充電器でもバッテリーのスペック上限に張り付いて急速充電ができていそうだということです。
本体内でしか充電しないユーザーであれば、あえて30W以上の充電器を用意する必要性はないと言えます。

むしろ、15Vとかまで上がらない5V/3Aのみの付属充電器の方が充電効率がいい(発熱しにくい)かもしれません。

次は電源入れて撮影しながらの充電を調べました

電源ON(MOVIE スルー)状態 (LVSUN 60W, Anker 30W)
– 5.12V/1.26A = 6.45W


電源ON(MOVIE REC)状態 (LVSUN 60W)
– 5.04V/2.94A = 14.81W


電源ON(MOVIE スルー)状態 (Aueky 18W)
– 4.99V/1.4-1.6V = 約7.98W

電源ON(MOVIE REC)状態(Aueky 18W)
– 4.95V/2.70A = 13.37W


電源ON(MOVIE スルー)状態 (X-T4付属 15W)
– 4.94V/1.4~1.7A = 約8.4W


電源ON(MOVIE REC)状態 (X-T4付属 15W)
– 4.82V/2.82A = 13.59W

電源が入っているとどの充電器も電圧は5Vになりました。(X-T4の発熱対策?)

実撮影時間が4K30pで85分と書いてあったので、アバウトですが消費電力は11Wくらいと想定できます。
今回の測定結果では、15Wの付属充電器でも60W充電器でも14W前後で入力していたので、単純な引き算をして3Wくらいの低速に充電になると思われます。
録画中だと高温になることも心配材料になります。

よって、個人的には、本体で充電するときは、電源切っているときに限ると結論付けました。

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